官公庁ってなにしてるの? 「公務員=安定」の先にある仕事とは

「公務員って安定してそう」
「休み多いし福利厚生がしっかりしてるイメージ」
「でも実際に何してるのかはよく知らない…」
就活で「官公庁・公務員」を目指す人は一定数いますが、「仕事内容」を深く理解している人は意外と少ないのが現実です。
国家公務員?地方公務員?官僚?役所?聞いたことはあっても、それぞれの違いや実際の業務内容までイメージできる人は少ないはず。
この記事では、「官公庁って何をしてるの?」「どんな仕事があるの?」「自分に向いてる?」といった疑問に答えながら、民間就活とも比較しつつ、官公庁で働くことのリアルを解説します。
そもそも「官公庁」とは?
官公庁とは、国や地方公共団体の行政機関のことを指します。
つまり「国・地域を動かす」仕組みそのもの。国の法律や制度、地域の暮らしを支えるインフラや福祉、教育や防災など、あらゆる“社会の裏側”に関わっています。
▼大きく分けると以下の2つ:
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国家公務員:国の政策を企画・実行する。霞が関(中央官庁)勤務が中心。
例:財務省・国土交通省・外務省・経済産業省など
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地方公務員:地域住民の生活に直結する行政サービスを担う。都道府県や市区町村など。
例:県庁・市役所・教育委員会・保健所・消防など
官公庁の仕事は「民間企業」とどう違う?
最大の違いは、“利益ではなく公共のために働く”という点です。
国民全体の幸福や社会の安定、未来の世代への責任を背負った仕事ともいえます。
例えば…
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民間企業:商品やサービスを売って利益を出す。顧客満足が命。
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官公庁:福祉、医療、環境、外交、防衛…課題解決を通じて国・地域を良くするのが使命。
つまり「売上目標」や「ノルマ」は基本的になく、その代わり「政策の実行力」「社会的意義」「公平性」が重視される世界です。
官公庁にはどんな仕事があるの?
職種や役所ごとに業務内容は大きく異なります。以下は一例。
国家公務員(中央省庁)
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政策立案(例:エネルギー政策、経済対策など)
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予算編成、法律案作成、国会対応
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海外との交渉(外務省など)
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統計データ分析、制度設計
国家の“司令塔”として、ダイナミックな仕事が多い一方、激務な職場もある。
地方公務員(都道府県・市区町村)
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地域福祉・子育て支援・高齢者支援
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防災・都市計画・ごみ処理・水道事業
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教育支援(学校運営・給食など)
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住民票・税金手続きなどの窓口業務
“顔が見える”住民と直接向き合いながら、地域の暮らしを支える役割が強い。
その他の職種
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技術職(土木・建築・電気・農業など)
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心理職・福祉職・保健師などの専門系
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裁判所職員、国会職員、刑務官、自衛官 なども国家公務員の一種
一口に“公務員”といっても、本当に幅広い選択肢があるのが特徴です。
官公庁に向いている人とは?
こんな特性を持っている人は、官公庁向きかも:
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社会貢献をやりがいに感じる
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安定志向・継続的にキャリアを築きたい
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目立つより裏方で支えることに価値を感じる
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論理的に考えるのが得意(政策や制度に関心あり)
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正確性・公平性を大切にする
もちろん「民間か公務員か」の答えは一つじゃありませんが、働く目的や価値観によって向き不向きはあります。
よくある誤解と現実
「楽そう」「定時で帰れそう」
→部署によっては残業も多く、政策の〆切や住民対応で忙しいことも。
「地味で変化がなさそう」
→社会問題は日々変わる。制度改正や災害対応など常に挑戦がある。
「出世は年功序列だけ?」
→評価制度の見直しも進んでおり、若手登用や専門職登用も増えています。
就活の進め方・対策のポイント
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民間就活と公務員試験、両立は可能?
→可能です。ただし公務員試験は早めの対策が必要。SPI型・教養型など種類も要確認。
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「なぜ公務員か」を言語化する
→安定だから、ではなく「どんな社会課題を解決したいか」「なぜ民間でなく行政か」を深掘りしよう。
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民間志望と併願する場合は軸の一貫性を持つ
→「人の役に立つ」「まちづくりがしたい」など共通する価値観があると説得力が出る。
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インターン・説明会にも注目
→総務省、経産省、自治体なども短期インターンを実施。現場の雰囲気を知るチャンス!
まとめ:「社会のしくみを動かす仕事」
官公庁で働くとは、「目の前の誰か」ではなく、「社会全体」にとって必要な仕組みや支援をつくること。
民間とは違うやりがいがあり、地道で責任の重い仕事でもあります。
安定を求めるだけでなく、「社会の土台を支えたい」という想いを持って挑戦する人が、これからの行政に必要とされています。