面接官が採用したくなる自己PRって?

自己PRを作成するときに「大した実績がなくて困っている。書き方がわからない」という悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。実は自己PRで大切なのは実績ではなく「行動パターン・価値観」を伝えることです。
今回は自己PRを話す上で重要なことをご紹介します!
【面接官が見ている4つのポイント】
選考を突破するには採点基準や見ているポイントを知ることが大切です。企業によって評価するポイントや重要視しているポイントは異なりますが、面接官は自己PRで主に次の4つのポイントを確認していることが多いです。
<4つのポイント>
1、能力
2、価値観
3、話し方
4、印象
【「能力」はスキルではなく「資質」】
面接では「この人は会社に入って利益を生み出してくれるのだろうか?」を常に見極めています。そこで1つ重要なポイントが「能力」です。
ここでの「能力」を先天的なものと後天的なものに分類していきます。先天的なものはいわゆる「資質」のことです。協調性や積極性など、特定の場面での思考のクセや行動パターンを指します。後天的なものは、「知識」や「スキル」と言い換えられるでしょう。その中でも面接官がとくに知りたいのは「資質」です。
知識やスキルは後からでも獲得することができますが、資質はその人が生まれ持った性質を基礎として幼少期からの経験の積み重ねによって形成されるため、簡単には変化しません。逆にいえば、資質は会社に入ってからも同じように再現される可能性が高く、面接を通してその人がわかれば入社後の活躍イメージを掴むことができます。
【自分の行動の「なぜ」を深堀りして整理する】
2つ目のポイントは価値観です。「何を大事にする人なのか」「物事の判断基準はなにか」を表す部分で、あらゆる行動の源泉です。「自分が大事にすること」「会社が大事にすること」が大きく乖離していると、資質が十分に備わっている人でも、それに応じたパフォーマンスを発揮することは難しいため、企業は面接で価値観を探っているのです。
価値観をわかりやすく伝えるための第一歩は、自分自身の価値観について正しく理解することです。普段の生活では、価値観を意識して行動することは少ないかもしれません。整理ができていないと、過去の経験について「なぜそれをやろうと思ったのか」と聞かれても、答えに詰まってしまいます。自分自身の価値観を正しく理解するためには、過去のひとつひとつの行動に「なぜ」と問いかけてみることが効果的です。また、その判断基準は人と同じであればいい、違うことがいいということはありません。良し悪しはないので自分自身のそのままの気持ちを素直に感じてあげることが大切です。
【「トライアングルロジック」でまとめる】
面接はあくまでコミュニケーションであり、自分自身を伝える場所です。どんなに、資質が備わっていて会社と価値観が合っていても、それが面接官に伝わらないと意味がありません。伝わる自己PRの話し方(構成)としておすすめなのが「トライアングルロジック」でまとめるということです。物事を3つに分けて整理する手法です。例えば、「傘を持って出かける」という意思決定であれば、「空が曇っている」が客観的データや事実、「雨が降りそうだ」が判断理由、根拠・感情を話した上で、メインメッセージを伝えるというのがトライアングルロジックを用いた話し方です。
多くの学生の自己PRは、「空が曇っているから傘を持っていこう」と「判断理由、根拠・感情」が省略されている場合が多いです。日本は世界の中でも非常にハイコンテクストな国と言われており、普段の会話で判断理由を含めて話す人は少ないです。しかし、面接官が一番知りたいのは「判断理由」です。この判断理由を省略してしまうと、適切な判断ができなくなります。
最後のポイント「印象」ついては、明るい雰囲気を持っているか、一緒に働きたいと思えるかなどです。印象や雰囲気が本質的なポイントではないのは言わずもがなですが、心理学では第一印象は会って5秒で決まるとも言われています。身だしなみや笑顔にも気を配りましょう。
【経験に優劣はなく、「どう考えて行動したか」がポイント】
ここまで面接官が採用したくなる自己PRのエッセンスをお伝えしてきましたが、自己PRに関して最も致命的な勘違いは「取り組んだ物事に優劣がある」というものです。グループ面接で「長期の海外ボランティアで○○な成果を残しました」という自己PRを聞くと、「それに比べて自分は海外にも行っていなければボランティアもしたことない。怠惰な学生生活しか送っていない」と不安になってしまう人や気後れしてしまう人もいるかもしれません。しかし、アルバイト、留学、サークル活動、スポーツ実績など、取り組んだ物事には優劣はありません。いかにして取り組んだか、その際の考え方や価値観が問われています。
短い面接時間のなかで人を理解するというのは難しいです。なので、自分自身の資質や持っている価値観を効率的に伝える工夫が必要になります。